治療が必要ないびきの程度(診断に重要な6項目)

専門家でも判断が難しい

健康な人でも睡眠中に無呼吸などの呼吸異常を起こすことがあることがあります。そうした呼吸異常と、治療を要する睡眠時無呼吸症候群の区別を明確につけることは、きには困難なことがあります。

また、無呼吸や低呼吸、低酸素血症がなくても、睡眠にともなう上気道の抵抗が増えただけで( つまり、いびきであつてもそれがひどい場合は) 睡眠時無呼吸症候群のように昼間の居眠りをきたすこともあり、診断をより複雑にしています。

もっと複雑な問題もあります。診断には「治療適示の診断」というものがあります。これは、治療を要するかどうかの診断基準です。

いびきも睡眠時無呼吸症候群も、ともに上気道の狭窄によって起こる「睡眠時呼吸障害」といえます。けれども、いびきと睡眠時無呼吸症候群とでは、治療を要するかどうかを診断する視点が異なってきます。
たとえばいびきの場合、いまのところは健康を損なうほどの障害には至っていないいびきもあります。これは一般的な意味では「病気」とはいえないいびきです。とはいえ本人が、いびきの音で社会生活に支障をきたしていると感じており、治したいと思っているならば、これは治療の対象となります(しかし、本人神経質で、他人への迷惑を過剰に考えすぎて悩んでいる場合は別ですが)。

このように、睡眠時呼吸障害に関する診断は、本人の体にどれだけ危険であるかに加えて、社会生活への影響という視点からも診断を下さなければなりません。そこが通常の病気の診断とは異なるところです。では具体的に、どの程度の症状になると治療が必要となるのでしょう。これはみなさんもぜひ知りたいところではないでしょうか。

睡眠時無呼吸障害の重症度の判断

  1. かすかな、あるいは静かないびきで、呼吸は規則的、いびきのない状態に比べて多少の狭窄はあるが本人には無害。周囲の人もよほど神経質でない限り困らない。
  2. 大きな振動型のいびきをかくが、呼吸は規則的。本人にはおそらく無害。けれども一緒に寝ている家族などを悩ませる。加齢により将来は睡眠時無呼吸症に移行する可能性は少なくない。
  3. 狭窄型いびきで呼吸は不規則で低呼吸、無呼吸がある。周囲の人をいびきで悩ませる。けれどもまだ換気障害が軽いため本人には自覚症状がほとんどない。
  4. 狭窄型いびきで、高度の低呼吸、無呼吸がある。これにより夜間に何度も目が覚めてしまうので睡眠が不十分。昼間傾眠が起こる。しかしまだ全身疾患の原因とはなっていない。
  5. 高度な睡眠時呼吸障害により高血圧などの全身疾患が起こっている。また病的な昼間傾眠があり、他人と話している最中に眠ってしまったりする。
  6. 高度な睡眠時換気障害があり、その影響による種々の全身症状のため、通常の社会生活が送れない。心疾患悪化による突然死の危険さえある。

この中で1は放置しておいてもよく、2は社会生活を考えると治療を必要とし、また、4、5、6は本人のために治療が必要となる。3はその中間にって、治療の目的はケースバイケースとなる。この基準は実に明快な位置づけだと思います。あなたの症状のチェックにぜひ参考になるでしょう。

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