たかがいびきと軽視してはいけない

問題のひとつは騒音障害

大いびきは、旅先などで、豪傑のあかしのようにいわれたものです。周囲は大いに迷惑しているのに、当の本人は「白川夜舟の高いびき」。

はたから見ると、いびきをかく人は豪胆で図太い神経の持ち主のように思われるかもしれません。けれどもいびきをかいている当人にしても、家族などからいびきのうるささを再三指摘されれば肩身が狭いものです。
自分のいびきが他人に迷惑をかけているとわかれば心理的負担になりますし、ひいては団体旅行を敬遠しがちになるなど、社会生活を営むうえで間接的にいろいろな制約を強いられることになります。

いびきの問題の1つは、この「騒音障害」にあります。実際、いびきの悩みで耳鼻科を訪れる人の動機でいちばん多いのが、「いつしよに寝ている家族が迷惑するから」というもの。また「旅行のときに困る」とか「もうすぐ結婚するから」など、周囲に迷惑心をかけることへの懸念や苦痛を訴えたものが上位を占めています。
新婚旅行から帰って早々に、いびきが原因で離婚話になったというケースもあるほどですから、「騒音障害」1つをとってももかなり深刻な悩みであることはたしかです。

体には予想以上に負担

しかし、いびきにはもっと深刻な問題がひそんでいます。じつは、いびきは私たちの体に知らずしらずのうちに大きな負担をかけているのです。

よく「いびきをかくのは熟睡している証拠」などといいますが、事実は全くの逆で、大いびきをかく人はあまり睡眠がとれていないことが多いのです。ですから、日常生活で疲れがとれない、イライラしやすい、記憶力や集中力が低下するといった傾向が現れます。

また、顔色も悪くなり、子どもでは夜尿するようになったりします。それだけではありません。いびきの研究が進むにつれて、いびきは、高血圧や糖尿病、心筋梗塞などといつた、さまざまな病気を呼び起こす元凶になることもわかってきました。
極端なケースでは、いびきが原因で突然死する可能性さえ指摘されています。こうなるともう「たかがいびき」などとあなどってはいられません。いびきはまさに、体が発している警警告なのです。まず最初に、このことをよく肝に銘じておいてください。

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