いびきの音が高いか低いかも、重要なポイントになります。専門的にいうと、いびきは大きく「振動型いびき」と「狭窄型いびき」に分類されます。
いびきの音が低ければ「振動型のいびき」、高い音であれば「狭窄型のいびき」といえます。「振動型いびき」は軟口蓋などが振動の原因になっているもので、
いびきをかく人のほとんどはこの振動型に当てはまります。振動型いびきの音は、基本周波数が150ヘルツ以下と低いのが特徴です。
「狭窄型いびき」は、舌根沈下や口蓋扁桃肥大などによって狭まったた気道を空気が無理に通過しょうとして起こるものです。
こちらのほうは、いびきの音がかなり高くなります(基本周波数400~500ヘルツ)
上咽頭
咽頭扁桃(アデノイド)の肥大による狭窄いびき
子どもによくみられるいびきです。口蓋扁桃が肥大して起こる狭窄いびきと合併して起こることがよくあります。起きているときの呼吸でも、咽頭扁桃が肥大しているために上咽頭のすき間はきわめて狭くなっています。そのすき間を空気がむりやり通るために狭窄音が起こります。呼気時には狭窄はなくなります。
中咽頭
軟口蓋が振動して起こるいびき
大人では最もふつうにみられるいびきです。このいびきをかく人は、後口蓋垂(のどちんこ)が長く、後口蓋弓の幅が広くなっているのが特徴です。
吸気にともなって軟口蓋と咽頭側壁が気道の中央へ引き寄せられて軟口蓋が振動し、いびきが起こりはじめます。
口蓋扁桃の肥大による狭窄いびき
吸気とともに両側の口蓋扁桃が気道中央に引き寄せられて、空気がここを通過する際に狭窄音が起こります。呼気のときは、狭窄が解除されるのでいびきは起こりません。このタイプで口蓋垂が長い人の場合、両側の扁桃の間に口蓋垂がはまりこんで閉塞性の無呼吸が起こることがあります。
舌根の沈下による狭窄いびき
舌が肥厚している人や下あごが小さい人にみられるいびきのタイプです。睡眠中、吸気のときに舌根部が吸い込まれ、気道が狭窄していびきが起こります。
呼気のときは舌根が押し上げられるためいびきは起こりません。このタイプの人で、症状が著しい場合は、閉塞性無呼吸を起こすので注意が必要です。そのほか、喉頭部にある喉頭蓋や披裂部、声帯の振動が原因となって起こるいびきもまれながらあります。いびきが実にさまざまな部位によって起こることに驚かれた方もいるのではありませんか。たかがいびきといえども、奥はずっと深いのです。